158：第1位を必ず手に入れる！（2更）

葉山雄大は蒼井真緒に大きな期待を寄せていた。

蒼井真緒は彼女が優秀教師になれる唯一の希望だった。

今年の河内市のトップ、全国模試のトップは、必ず蒼井真緒でなければならない！

そうしてこそ、彼女は蒼井家に嫁ぐ資格があるのだ。

そう考えると、葉山雄大は目を細め、続けて言った。「真緒、強くならなければいけませんよ！先生に手伝えることがあれば、いつでも言ってください。」

「ありがとうございます、葉山先生。」蒼井真緒の顔からは、いつもの傲慢さが少し消えていた。

代わりに陰鬱さが増していた。

彼女は既に蒼井華和に一度負けていたが、大学入試では蒼井華和に負けるはずがないと思っていた。

そう考えると。

蒼井真緒の目には、必ず勝つという決意が光っていた。

そんな蒼井真緒を見て、葉山雄大は満足げに頷いた。「早く教室に戻りなさい。」

蒼井真緒は教室へ向かって歩き出した。

蒼井真緒の後ろ姿を見ながら、職員室の中である教師が言った。「真緒さん、一晩で随分変わってしまったようですね。」

この言葉に、すぐに誰かが頷いた。「確かにずいぶん変わりましたね。」

蒼井真緒はクラスのアイドルであり、学校のアイドルでもあった。

この大きなインターナショナルスクールの名声は、蒼井真緒にかかっているのだ！

「真緒さんは今、家運が傾いているだけでなく、ネットいじめも経験して、子供どころか大人でもこんな打撃に耐えられないでしょうね。」

これを聞いて、すぐに誰かが蒼井真緒をかばい始めた。

「真緒さんのお姉さんも本当に分かっていませんね！真緒さんの両親は彼女をあれだけ育ててきたのに、蒼井華和ときたら、恩を仇で返すなんて！」

「でも私たちの真緒さんは頑張り屋さんですから！大学入試の後で真緒さんが一位を取れば、注目度も上がるでしょう？」

「橘先生の言う通りですね。」

そのとき、ショートヘアの教師が振り返って、続けて言った。「私の友人が北橋高校で働いているんですが、蒼井華和さんはもう二ヶ月も学校に来ていないそうです！きっと蒼井家のお嬢様になったから、学校に来る気がなくなったんでしょう。こういう人は運がいいだけで、少しでも運が悪ければ、人生はこのままで終わってしまうでしょうね！」