157:如月廷真は静園さんだった!_6

早坂明慧の笑顔が頬いっぱいに広がり、目が見えないほどだった。「華和、あなたったら、来るだけでいいのに、どうしてこんなにプレゼントを持ってきたの!家には何も不自由なものなんてないのよ!」

如月廷真は残りのプレゼントを如月大爺様に渡した。「お爺様、これはあなたへのものです」

如月大爺様は驚いて言った。「私のもあるのかい?」

「はい」如月廷真は軽く頷いた。

如月大爺様は両手でプレゼントを受け取り、蒼井華和を見つめた。「華和や、みんな身内なんだから、今度来る時はこんなに気を遣わなくていいよ」

「はい」

如月廷臣と如月廷遥の兄弟はこの光景を見て、少し呆然としていた。

まさか、あの役立たずの三男が幸運を掴むとは!

蒼井華和は彼の何に惹かれたんだろう?

何もできない障害者の彼の何に?

如月廷遥と如月廷臣だけでなく、矢野花音と篠崎月蓉も呆然としていた。

篠崎月蓉は眉をひそめ、声を潜めて言った。「お姉さん、この事は奇妙だと思わない?」

矢野花音は頷いた。「若い女の子は物事が分からないから、三男のあの容姿に惚れるのも当然かもしれないわ。でも、彼女が分からないからって、蒼井家の者全員が分からないわけじゃないでしょう。見ていなさい、面白いことになるわよ!」

そう言って、矢野花音は軽く笑った。

篠崎月蓉も矢野花音の言葉の意味をすぐに理解した。

蒼井華和は若くて、その中の微妙な機微が分からないかもしれないが、蒼井家の者は馬鹿じゃない。

彼らのような家庭なら、当然蒼井華和には釣り合いの取れた家柄の相手を選ぶはずだ。

その時になれば、蒼井華和も目が覚めるだろう。

そして如月廷真は。

二人目の女性に捨てられるという奇跡を作ることになるだろう。

そう考えると、篠崎月蓉の顔の笑みがますます明らかになった。

午後。

如月廷真は蒼井華和を送っていく。

相変わらずあの自転車で。

蒼井華和は後ろの席に座っていた。

陽光が二人の上に降り注ぎ、そよ風が心地よく吹いていた。

その時。

一台の乗用車が二人の前で止まった。

「廷真兄」

車の窓が下がり、可愛らしい顔が現れた。

如月廷真は眉をひそめ、最初の反応は振り返って蒼井華和を見ることだった。「華和、私は彼女を知りません」

蒼井華和は軽く笑った。

彼の可愛らしさに心を打たれた。