166:名実共に高考状元!(2更)

話を聞いて、若松教授は立ち上がった。「若松先生、私を呼びましたか。」

「はい。」若松先生は頷いた。

「何かご用でしょうか?」若松教授は若松先生の側に歩み寄った。

若松先生はパソコンの画面に表示された作文を指差して、「この作文に満点をつけたいのですが、ご確認いただけますか。」

「満点?」

その言葉を聞いて、若松教授は一瞬固まった。

試験院で10年間働いてきたが、このような事態は初めてではなかった。

しかし、前回満点の作文が出たのは3年前のことだった。

10年前、穂坂黎真という少年が「故郷」という作文で満点を取った。

通信手段がまだそれほど発達していなかった時代に、発表されるとすぐにネット上で話題となった。

今でもなお、この作文は人気が衰えていない。

多くの学生たちが参考にしている。