これは罪を着せようとする行為だ。
罪を着せようとする者は、言い訳に事欠かない。
間違っていたのは、蒼井華和ではなかった。
蒼井華和には想像もつかなかった。もし戻ってきた人が元の持ち主だったら。
彼女を待ち受けているのは、どれほどの血なまぐさい戦いだろうか。
「あなたは私に借りがあるわけでもないし、私もあなたに借りがあるわけでもない。私たちは血のつながりがある程度のものよ。だから、誰かに優しくしたり、誰かを妹として扱ったりするのは、あなたの自由。私には関係ない」ここまで言って、蒼井華和は蒼井陽翔をじっと見つめた。「でも、証拠もないのに、私が堕胎したとか、人に見せられないことをしたとか、そんなふうに決めつけるのは間違っているわ。私、あなたのことを軽蔑するわ!あなたには'お兄さん'という言葉は似合わない」