「如月廷真はただのクズだ。酒、女、賭博、何でもやらかすじゃないか?」
「蒼井華和がそんな男と付き合っているんだから、妊娠するのは当然だろう!」
「今、蒼井華和は婚前妊娠で、如月廷真とこんな恥ずべき行為をしでかしました。どう対処すべきでしょうか!」
「この不届き者め!」そのとき、蒼井大婆様が外から入ってきて、杖を振り上げ、蒼井陽翔の背中を打った。「お前は兄として失格だ!」
どんな実の兄が、自分の妹をこんなに中傷するというのか?
実の兄でさえ蒼井華和を信じないのだから、他人はなおさらだ。
言い終わると、蒼井大婆様は蒼井修誠を指差して言った。「見なさい!これがあなたの育てた息子よ!」
蒼井大婆様は怒りで体中が震えていた。
子の教育は父の責任、蒼井修誠は恥ずかしく思い、頭を下げて黙っていた。
蒼井陽翔は今、怒りと悔しさで一杯だった。
明らかに間違ったことをしたのは蒼井華和なのに。
今や皆が彼を責めている!
彼に何の落ち度があるというのか?
蒼井陽翔は蒼井大婆様を見上げて言った。「お婆様、是非をわきまえていらっしゃるんですか!私たちの家の面子はどうなるんです?はっきりさせておきますが、婚前妊娠したのは蒼井華和です!恥をかかせたのも蒼井華和です!今、彼女を責めないどころか、全ての責任を私に押し付けるなんて、まさか私が彼女を如月廷真のベッドに送り込んだとでも?」
これまで蒼井大婆様が何を間違えても、蒼井琥翔はいつも許してきた。
結局は年老いた人なのだから!
しかし今回は。
彼は絶対に蒼井大婆様を許さない。
なぜなら蒼井大婆様のやり方があまりにも人の心を凍らせるものだったから。
「陽翔!あなたが度を越している!」篠崎澪もWeiboの件を知り、急いで帰ってきたところで、蒼井華和に何があったのか聞こうと思っていたが、入ってすぐに蒼井陽翔のこんな無茶苦茶な話を聞いてしまった。
これに篠崎澪は激怒し、すぐに蒼井陽翔を蹴った。
「私が度を越していますか?今や母さんまでも是非をわきまえなくなったんですか?」蒼井陽翔は母親を見つめ、目には失望の色が満ちていた。