178:全能の学業優等生、華和の反撃!_3

手術中、朝比奈瑠璃の体が弱っていたため、予期せぬ事態が発生し、入院観察が必要となった。

手術室の外で待っていた若松美智子は、この知らせを聞いて顔が真っ青になり、すぐに尋ねた。「先生、妹は大丈夫でしょうか?」

「大したことはありません。ただ出血量が少し多かっただけです。二日ほど入院すれば大丈夫です。」

「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」そう言って、若松美智子は蒼井華和の方を向き、感謝の言葉を述べた。「蒼井さん、本当にありがとうございます。」

やはり蒼井華和は間違っていなかった。

もし今日、資格の不十分な私立病院に行っていたら、朝比奈瑠璃の状況は全く違ったものになっていたかもしれない。

若松美智子はそれを想像することさえできなかった。

「司緒が無事でよかったです。」蒼井華和は言った。

若松美智子は頷いた。

朝比奈瑠璃が再び目を覚ますと、目に入ってきたのは真っ白な景色で、鼻には消毒液の臭いが充満していた。

とても刺激的な臭いだった。

ここはどこだろう?

長い間眠っていたような気がする。

「お、お姉さん?」

若松美智子はベッドの横で寝ていたが、朝比奈瑠璃の声を聞いて飛び起き、興奮した様子で言った。「瑠璃、目が覚めた?」

「うん。」朝比奈瑠璃は頷いて、「お姉さん、喉が渇いて...」

若松美智子はすぐに水を汲みに行った。

朝比奈瑠璃は水を飲んで、少し元気になった。「お姉さん、私どうしたの?」

中絶は小さな手術のはずじゃなかったの?

手術が終わったら、その日のうちに帰れるはずだった。

なのに、なぜ病室にいるの?

若松美智子は説明した。「手術中に少し予期せぬことがあって、先生が入院観察を勧めたの!蒼井さんのおかげよ。もし蒼井さんが私立病院に行くのを止めてくれなかったら、今頃どうなっていたか分からないわ!」

朝比奈瑠璃は頷いて、「そうだったんだ。華和はどこ?」

若松美智子は答えた。「外に出てるわ。」

そのとき、蒼井華和がドアから入ってきた。

「司緒。」

彼女は手に弁当箱を持っていた。

「華和。」

蒼井華和は弁当箱から鶏スープを取り出して朝比奈瑠璃に渡した。「お腹すいてるでしょう?スープを持ってきたわ。熱いうちに飲んで。」