187：華和はYYDS！

蒼井華和は真壁美々の目には、常に物分かりの良い子供で、準備なしには何もしない子でした。

彼女が志望校をひとつだけ選んだのは、きっと十分な自信があるからでしょう。

真壁美々は頷いて、笑いながら言いました。「それなら、先生は応援するわ。」

「ありがとうございます、真壁先生。」

真壁美々は橘忻乃と結城詩瑶の側に行き、続けて尋ねました。「忻乃さん、詩瑶さん、あなたたちはどの学校を志望したの？」

橘忻乃は答えました。「私は第一志望が帝都大学で、第二志望が東大です。」

結城詩瑶は笑いながら言いました。「私も忻乃と同じです。」

彼女たちも帝州大学を志望したかったのですが、残念ながら帝州大学からの入学招待状は受け取っていませんでした。

そのとき、校長が真壁美々の側に来て、声を低めて言いました。「真壁先生、ちょっと来てください。」

真壁美々は校長の方を振り返り、その後を追いました。

外に出て。

校長はようやく口を開きました。「真壁先生、さっき蒼井が志望校を決めたんですね？」

「はい。」真壁美々は頷きました。

校長は続けて言いました。「蒼井には実力があるのは確かですが、帝州大学だけを志望するのは、少し問題があるのではないでしょうか？」

結局のところ、現時点で蒼井華和が受け取ったのは帝都大学からの入学招待状だけです。

入学招待状と合格通知書は違います。

もし蒼井華和が合格できなかった場合、彼女が作り上げた十年間の満点神話も崩れ落ちることになり、それは学校にとっても良いことではありません。

真壁美々は校長を見て、続けて言いました。「校長先生、言うべきことは全て華和に伝えました。彼女は一つの志望校だけにこだわっていますので、私は彼女を信じ、支持したいと思います。」

校長は眉をしかめて、「あの子はなんてこだわり強いんでしょう！複数の志望校を書いても、帝州大学の二次試験に影響はないのに！万が一を恐れるべきです。もし合格できなかった場合、せめて保険があった方がいい！M国の江戸川大学も彼女に連絡を取ったと聞きましたが、第二志望として書くよう相談してみませんか？」

江戸川大学は帝州大学には及びませんが、世界的に有名な大学で、合格ラインは非常に高いです。

外国人学生の募集基準は特に厳しいのです！

蒼井華和は河内市で初めて江戸川大学に合格した人です。