198:榊原詩々の身世の謎(11更)_5

「お姉さん、ごめんなさい。わざとじゃないんです」

蒼井華和は目の前の少女を見て、どこか見覚えがあるような気がした。

しばらくして。

彼女はようやく思い出した。高城ママの養女だった。

榊原詩々。

「大丈夫よ」蒼井華和は優しく微笑んで、「モチ子、子供を怖がらせないで」

蒼井華和の言葉を聞いて、モチ子は後ろに数歩下がった。

榊原詩々は蒼井華和を見上げた。最初の印象は、このお姉さんがとても綺麗だということだった。そして蒼井華和の服についたワンタンスープに気づき、すぐに謝った。「お姉さん、ごめんなさい。ワンタンスープをお洋服にこぼしてしまって!」

「わざとじゃないんです」

「お名前は何ていうの?」蒼井華和は尋ねた。

「榊、榊原詩々です」詩々が答えた。

やはり高城ママの養女だ。