「わぁ、モチ子、可愛いわね!」
篠崎澪は新聞を受け取り、モチ子の頭を撫でた。
モチ子は「ワン」と一声鳴いて、まるで「何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」と言っているようだった。
篠崎澪は笑いながら言った。「モチ子、リビングのドアを閉めてきて。」
モチ子はすぐに小走りで向かった。
篠崎澪は口を押さえて、「紅音、見て見て!こんなに賢い犬見たことないわ!」
言われたことを何でもやってくれる。
人間よりも言うことを聞く。
蒼井華和も驚いていた。モチ子がこんなに賢いとは思わなかった。
そのとき、篠崎澪は何かを思い出したように、「そうだ紅音、モチ子まだ朝ごはん食べてないわ。」
「具合でも悪いの?」
篠崎澪は首を振った。「具合が悪いわけじゃないと思うわ。様子を見てると、あなたに餌をもらうのを待ってるみたい。」