198:榊原詩々の身世の謎(11更)_4

「わぁ、モチ子、可愛いわね!」

篠崎澪は新聞を受け取り、モチ子の頭を撫でた。

モチ子は「ワン」と一声鳴いて、まるで「何か手伝えることがあったら遠慮なく言ってね」と言っているようだった。

篠崎澪は笑いながら言った。「モチ子、リビングのドアを閉めてきて。」

モチ子はすぐに小走りで向かった。

篠崎澪は口を押さえて、「紅音、見て見て!こんなに賢い犬見たことないわ!」

言われたことを何でもやってくれる。

人間よりも言うことを聞く。

蒼井華和も驚いていた。モチ子がこんなに賢いとは思わなかった。

そのとき、篠崎澪は何かを思い出したように、「そうだ紅音、モチ子まだ朝ごはん食べてないわ。」

「具合でも悪いの?」

篠崎澪は首を振った。「具合が悪いわけじゃないと思うわ。様子を見てると、あなたに餌をもらうのを待ってるみたい。」