「好きだからって何でも許されると思ってるの?」
蒼井遥真は今、とても動揺していた。
若松冬音は演技をしているのか……
それとも自分が酔った勢いで暴走したのか?
昨夜の出来事について、何一つ覚えていない。蒼井遥真は深く息を吸い込んで、「冬音、まず落ち着いて。事態は君が想像しているようなものじゃない!」
「じゃあ、どういうことなの?」若松冬音は怒りを込めて言った。「私がどんなに下品な女だとしても、男の布団に自分から潜り込むようなことはしない!」
「冬音、君を下品だなんて言ってない。ただ、この件は不思議だと思うんだ。二人とも落ち着いて、ちゃんと話し合おう?」
若松冬音はシーツをきつく握りしめ、涙を流していた。
蒼井遥真の頭の中も混乱していた。
こんな事態は初めてだった。