198:榊原詩々の身世の謎(11更)_2

若松冬音も馬鹿ではなく、蒼井紫苑を見上げて言った。「どうやって手伝うの?」

「私の言う通りにすればいいの」蒼井紫苑は続けて言った。「冬音姉、私たち長年の付き合いでしょう。私の人柄はよく分かっているはずよ。あなたが本当に二番目の兄を好きなのは分かっているわ。妹として、誰よりも兄さんの幸せを願っているの。そうでなければ、手伝うなんて言い出さないわ」

蒼井紫苑は良き妹を演じていた。

蒼井紫苑は頷いた。「もちろんよ」

彼女は蒼井家で同盟者を必要としていた。

元々、蒼井紫苑は蒼井琥翔に手を出すつもりだった。

しかし、よく考えてみると、少し危険すぎると感じた。

蒼井琥翔という人物は。

まだ若いとはいえ。

外の世界で彼の名前が出るたびに、四文字で形容される。

老獪狡猾。

しかし蒼井遥真は違った。