199:華和:高城ママは絶対ただ者ではない!_7

榊原詩々はようやくミルクティーを受け取った。

そして、ポケットからキャンディーを取り出し、「お姉さん、私からもプレゼントがあります」

榊原詩々は生活が辛いと感じるたびに、キャンディーを一つ食べるのだった。

だから。

今の榊原詩々にとって、蒼井華和に渡すのは、単なるキャンディーではなく、世界で最も素晴らしいものだった。

「ありがとう、詩々」蒼井華和は榊原詩々から渡されたキャンディーを受け取り、一つ包みを開けて口に入れた。

とても甘い。

「すごく美味しいわ」

蒼井華和に自分のキャンディーを褒められ、榊原詩々はとても嬉しかった。

蒼井華和は、この世界で出会った最も温かいお姉さんだった。

二人は歩きながら話をした。

年齢差は大きかったが、二人のコミュニケーションはほぼ障害なく、蒼井華和は子供たちと話すのが大好きで、毎回子供たちの奇想天外な発想に驚かされていた。

会話の中で、榊原詩々はこのお姉さんが本当にすごいことに気づいた。

基本的にどんな質問でも、蒼井華和は完璧に答えることができた。

例えば、海王星には海があるのか?

銀河系の外には何があるのか?

榊原詩々は小さな天文ファンで、普段は教科書を通じてしか知りたいことを知ることができなかった。

初めて誰かが彼女の疑問に答えてくれた。

「詩々、写真を撮りましょう?」蒼井華和が提案した。

「いいですよ」榊原詩々は頷いた。

蒼井華和は携帯を取り出し、笑顔で榊原詩々と自撮りをした。

何枚も写真を撮った。

電気製品店の前を通りかかった時、窓越しに榊原詩々の視線が腕時計型携帯電話に留まった。

クラスの多くの生徒がこのような腕時計型携帯電話を持っていた。

蒼井華和は笑って尋ねた:「欲しい?」

榊原詩々は最初頷いたが、すぐに首を振った。

「欲しいなら、お姉さんが買ってあげるわ。

このお店はペットの入店も許可されているわ。

言い終わると、蒼井華和は榊原詩々を連れて店内に入った。

榊原詩々は蒼井華和の手を引いて、「お姉さん、私全然欲しくないです。お金を無駄遣いしないでください」

「このお金は、お姉さんが詩々に貸すということにしましょう?大きくなったら、お姉さんに返してくれればいいわ」蒼井華和が提案した。