「謝らなくていいわ」若松冬音の表情が少し冷たくなった。「あの夜のことは全て私の責任で、あなたには何の関係もないわ」
若松冬音は全ての責任を自分に引き受けた。
蒼井遥真は俯いたまま、自分の責任感のなさのせいで、一つの命が消えてしまったことを思うと、息が詰まりそうだった。
彼は男なのに。
しかし今は。
女性にも劣っている。
若松冬音でさえ問題に正面から向き合えているのに。
彼にはその勇気すらない。
もしも。
もっと早く若松冬音に連絡を取っていれば、こんなことにはならなかったのに。
後悔。
蒼井遥真は今、深く後悔していた。
遅すぎることはない。
今の彼は、もうこれ以上間違い続けるわけにはいかない。
そう思い至り、蒼井遥真は若松冬音を見つめ、口を開いた。「冬音、結婚しよう!帰ったら直ぐに両親と結婚式のことを相談する」