200:真相は偽妊娠だった!

「謝らなくていいわ」若松冬音の表情が少し冷たくなった。「あの夜のことは全て私の責任で、あなたには何の関係もないわ」

若松冬音は全ての責任を自分に引き受けた。

蒼井遥真は俯いたまま、自分の責任感のなさのせいで、一つの命が消えてしまったことを思うと、息が詰まりそうだった。

彼は男なのに。

しかし今は。

女性にも劣っている。

若松冬音でさえ問題に正面から向き合えているのに。

彼にはその勇気すらない。

もしも。

もっと早く若松冬音に連絡を取っていれば、こんなことにはならなかったのに。

後悔。

蒼井遥真は今、深く後悔していた。

遅すぎることはない。

今の彼は、もうこれ以上間違い続けるわけにはいかない。

そう思い至り、蒼井遥真は若松冬音を見つめ、口を開いた。「冬音、結婚しよう!帰ったら直ぐに両親と結婚式のことを相談する」