202:家から追い出し、絶縁する_2

「私は彼女なんて全然愛していない!」蒼井遥真は続けて言った。「突然彼女と結婚しようと思ったのは、蒼井紫苑が若松冬音と共謀して罠を仕掛けたからだ!冬音が私の酒に薬を入れて、さらに自分が妊娠して病院で堕胎したと嘘をついたんだ!」

その言葉を聞いて、篠崎澪は呆然とした。

傍らの蒼井修誠も呆然としていた。

誰も、事の成り行きがこれほど複雑だとは思っていなかった。

また、若松冬音がこのような恥ずべき行為をするとは思わなかったし、さらにこの件が蒼井紫苑と関係があるとは思いもしなかった。

「骨肉の争いだ!」蒼井修誠は蒼井紫苑を指差して、怒りながら言った。「彼は誰だ?お前の兄だぞ!よくも部外者と手を組んで自分の兄を陥れようとするな!」

しかも、名誉に関わる事だった。

もしこれが外に漏れたら。