ここまで話して、蒼井華和は一旦言葉を切った。「それに、午後3時20分の時点で、若松冬音はショッピングモールで買い物をしていました。」
この時間帯、彼女は病院に行っていないのに、どうやって中絶できたというのでしょう?
そう言いながら、蒼井華和は少し身を屈め、マウスをクリックして次の映像に切り替えた。
これはショッピングモールの衣料品店内の映像だった。
映像の中。
若松冬音は服を選んでいた。
数人の販売員が彼女の後ろについて回り、蒼井紫苑が選んだ服を抱えていた。
監視カメラの映像に映る若松冬音の様子は、中絶手術を受けたばかりの人のようには見えなかった。
「そうそう、これが若松冬音の買い物記録です。」
蒼井華和はマウスの下に挟んでいたレシートを取り出し、蒼井遥真に渡した。
蒼井遥真は少し呆然としていた。