201:蒼井紫苑こそが黒幕(2)

ここまで話して、蒼井華和は一旦言葉を切った。「それに、午後3時20分の時点で、若松冬音はショッピングモールで買い物をしていました。」

この時間帯、彼女は病院に行っていないのに、どうやって中絶できたというのでしょう?

そう言いながら、蒼井華和は少し身を屈め、マウスをクリックして次の映像に切り替えた。

これはショッピングモールの衣料品店内の映像だった。

映像の中。

若松冬音は服を選んでいた。

数人の販売員が彼女の後ろについて回り、蒼井紫苑が選んだ服を抱えていた。

監視カメラの映像に映る若松冬音の様子は、中絶手術を受けたばかりの人のようには見えなかった。

「そうそう、これが若松冬音の買い物記録です。」

蒼井華和はマウスの下に挟んでいたレシートを取り出し、蒼井遥真に渡した。

蒼井遥真は少し呆然としていた。