第202話:家から追い出され、関係を断つ_4

これは蒼井遥真の一生に関わることだった。

「でも紫苑だって騙されたんだ」蒼井遥真は篠崎澪を見つめて言った。「母さん、紫苑のことを一番可愛がってたじゃないですか?」

篠崎澪は眉をきつく寄せた。

確かに彼女は蒼井紫苑のことが大好きだった。

しかし今この瞬間。

蒼井紫苑を育てなかった方がよかったとさえ思った。

どう考えても、この一件は蒼井紫苑が原因だった。彼女が火に油を注がなければ、蒼井遥真は若松冬音と結婚しようなどとは思わなかったはずだ。

篠崎澪は想像するのも恐ろしかった。もし蒼井遥真がこの事実に気づくのが遅かったら、どんな結果になっていたことか。

今回は確かに蒼井紫苑が行き過ぎていた!

「紫苑はやはり修行が足りないわね」篠崎澪は蒼井修誠の方を向いて言った。「こうしましょう。しばらく外で暮らさせて、自分のことをよく反省させましょう。どうかしら?」