第202話:家から追い出され、関係を断つ_5

どうやら後悔したか、若松冬音に嫌味を言いたいかのどちらかだった。

残念ながら。

若松冬音はまだ危機に気付いていなかった。

「渋滞は当たり前でしょう」冬音は笑いながら言った。「お姉さん、あなたの気持ちはわかるわ。私のことを妬いているから、いろんな言い訳を探して、私を困らせたいんでしょう?」

若松冬真は優秀な人物だった。

幼い頃から、若松冬音と何を比べても、冬真の方が遥かに優れていた。

しかし今は。

若松冬真は配偶者選びという点で冬音に負けてしまった。想像できるように、冬真はきっと怒っているはずだ。

「理解できないわ」冬真は冬音を睨みつけた。「私が来たのは、ただ一言警告するためよ。こんなに大げさに準備したのに、もし相手が来なかったら、恥をかくのはあなただけじゃなく、私たち若松家全体の恥になるのよ!」