205:真相が明かされる、高城ママは蒼井紫苑の実の母親!_7

「なに?」

榊原静華と周防誠一は呆然としていた。

二人とも、原田真雪が蒼井華和には関係ないと言うとは思ってもみなかった。

これでは蒼井華和から金を騙し取ることができない!

この老いぼれ!

得すべき時に得せず、得してはいけない時に必死で得しようとする!

監視カメラは壊れていて、目撃者もいない。原田真雪が蒼井華和に突き飛ばされたと言い張れば、蒼井華和は必ず賠償金を払わなければならないはずだったのに!

「お礼は結構です。お年寄りが無事で何よりです」蒼井華和は続けて言った。「警察官の方、私は先に失礼させていただきます。もし協力が必要な際は、いつでもご連絡ください」

「はい、わかりました」

榊原静華と周防誠一は蒼井華和の去っていく後ろ姿を見て、顔が歪むほど腹を立てていた。

数十万円がこうして消えてしまった!