212:家族の恥を払拭し、絶縁する

その言葉が出た瞬間。

部屋中が静まり返った。

空気が恐ろしいほど静かになった。

蒼井紫苑さえも呆然としていた。

顔が真っ青になり、体中の力が一瞬で抜け、血の気が引いた。

どうしてこんなことに!

蒼井琥翔はどうやってこのことを知ったの?

今どうすれば?

蒼井陽翔は怒って言った。「兄さん!何を言い出すんだ!蒼井華和が戻ってきてから、兄さんは紫苑のことが気に入らなくて、あらゆる面で紫苑を目の敵にしているのは分かるけど、たとえ紫苑のことが嫌いでも、こんな言い方はないだろう!」

蒼井陽翔は夢にも思わなかった。蒼井琥翔が蒼井華和のためにここまでするとは。

彼は蒼井紫苑を中傷することさえ厭わなかった!

「どう考えても、紫苑は兄さんが見守って育てた妹だ。十八年間も兄さんと呼んできたんだぞ!兄さんが何をしても、紫苑は一度も恨んだことがない!」