その言葉が出た瞬間。
部屋中が静まり返った。
空気が恐ろしいほど静かになった。
蒼井紫苑さえも呆然としていた。
顔が真っ青になり、体中の力が一瞬で抜け、血の気が引いた。
どうしてこんなことに!
蒼井琥翔はどうやってこのことを知ったの?
今どうすれば?
蒼井陽翔は怒って言った。「兄さん!何を言い出すんだ!蒼井華和が戻ってきてから、兄さんは紫苑のことが気に入らなくて、あらゆる面で紫苑を目の敵にしているのは分かるけど、たとえ紫苑のことが嫌いでも、こんな言い方はないだろう!」
蒼井陽翔は夢にも思わなかった。蒼井琥翔が蒼井華和のためにここまでするとは。
彼は蒼井紫苑を中傷することさえ厭わなかった!
「どう考えても、紫苑は兄さんが見守って育てた妹だ。十八年間も兄さんと呼んできたんだぞ!兄さんが何をしても、紫苑は一度も恨んだことがない!」