205:真相が明かされる、高城ママは蒼井紫苑の実の母親!_5

【北川広場のほうで。】

蒼井紫苑は返信した:【姉は間違いを犯してそれを認めないような人ではありません。きっと何か誤解があるはずです。】

そう返信すると、蒼井紫苑はすぐにWeChatを開き、あるハッカーと連絡を取った。

チャットが終わった後。

彼女はチャット履歴を完全に消去した。

今度こそ、蒼井華和がどうやって疑いを晴らすのか見てやろう。

因果応報とはまさにこのことだ!

春野宴真は榊原詩々からモチ子のリードを受け取り、続けて尋ねた:「お嬢ちゃん、お姉さんの電話番号を知ってる?」

「はい」榊原詩々は頷いた。

彼女のスマートウォッチには蒼井華和の電話番号が保存されていた。

「教えてくれない?」

その言葉を聞いて、榊原詩々は警戒するように春野宴真を見た。

春野宴真は説明した:「お姉さんさっき急いで行っちゃって、電話番号を残し忘れたんだ。僕が一旦モチ子を家に連れて帰って、後でお姉さんに迎えに来てもらうからさ。」

榊原詩々はそれを聞いて、ようやく蒼井華和の番号を春野宴真に教えることに同意した。

春野宴真は蒼井華和の携帯番号を慎重に保存し、それから顔を上げて榊原詩々を見た。「家はどこ?送っていこうか。」

「大丈夫です、一人で帰れます。」

「一人で大丈夫?」春野宴真は尋ねた。

榊原詩々は笑って言った:「問題ありません。いつも一人ですから。」

「そうか。」

榊原詩々が去った後、春野宴真は自分の傍らに伏せている大きな犬を見て、「じゃあ、僕たちも行こうか。」

モチ子は顔を上げて春野宴真を見たが、びくともしなかった。

春野宴真はしゃがんで、モチ子の頭を撫でた。「大丈夫、僕は悪い人じゃないよ。」

モチ子はまだ動かなかった。

春野宴真は再びリードを強く引っ張ってみた。

明らかに、彼はモチ子の力を甘く見ていた。

仕方なく、春野宴真は電話をかけて、犬の好きな骨付き肉を持ってきてもらった。

しかし骨付き肉の誘惑にも、モチ子は全く動じなかった。

ただそこに伏せたまま、蒼井華和が消えた方向を見つめ、その目は悲しげだった。

蒼井華和が戻ってこない限り、動かないという構えだった。

なぜ蒼井華和が突然いなくなったのか、わからなかった。

でも、きっと蒼井華和は迎えに来てくれるはずだと、モチ子は知っていた。

春野宴真は途方に暮れた。