今回、蒼井陽翔は決して口先だけの言葉ではなかった。
彼は本気だった!
こんな親、こんな家族なら、いない方がましだ。
「本気なのか?」蒼井修誠が言った。
「はい」蒼井陽翔は続けて言った。「よく考えました!」
蒼井修誠は頷いた。「いいだろう。出て行け!これからは、私蒼井修誠にはお前という息子はいない!」
蒼井陽翔は即座に背を向けて歩き出した!
一瞬の躊躇もなく。
「陽翔!」十月十日お腹を痛めて産んだ息子だけに、篠崎澪は我慢できずに声を上げた。
蒼井陽翔は振り返って篠崎澪を見た。「あなたが紫苑を追い出そうとした瞬間から、私にはもう母親はいません!」
一言一句が、凍てつくように冷たかった。
篠崎澪は胸を押さえ、ほとんど息ができなかった。「出て行きなさい!今日出て行くなんて…」