212:身内の恥を清め、関係を断つ_5

がっかりだ!

執事が警備員と共に蒼井紫苑を引きずり出した。

蒼井紫苑がどれほど抵抗しても、無駄だった。

蒼井紫苑は納得できなかった。

なぜ!

神様が与えてくれたこの全てを、なぜ取り上げるの?

彼女こそが蒼井家のお嬢様だったのに!

「父さん!」蒼井陽翔は蒼井修誠を見つめた。

蒼井修誠は顔をそむけ、蒼井陽翔の視線を無視した。

「母さん!」蒼井陽翔は篠崎澪の方を見た。

篠崎澪も蒼井修誠と同じだった。

蒼井陽翔を完全に無視した。

最後に、蒼井陽翔はもうどうしようもなく、続けて言った:「お父さん、お母さん、紫苑を追い出すにしても、せめて荷物くらい整理させてあげてください!」

例えばジュエリーなどの。

蒼井紫苑が前回蒼井家を離れた時、着替えとスキンケア用品以外に、ジュエリーは持ち出していなかった。