212:身内の恥を清め、関係を断つ_4

この言葉は少しも大げさではない。

蒼井大婆様は蒼井紫苑のせいで命を落としかけた。

蒼井華和は蒼井紫苑のせいで名誉を失いかけた。

そして蒼井遥真も、蒼井紫苑のせいで人生の幸せを台無しにされそうになった。

しかし今。

蒼井陽翔は口を開けば紫苑を守ると言い張っている。

まったくもって笑止千万だ!

この瞬間、蒼井琥翔はこの弟を認めたくないとさえ思った。

蒼井陽翔も怒り出した!

家族が何度も自分と紫苑をこのように扱うのは、自分が甘く見られているとでも思っているのか?

蒼井陽翔は立ち上がり、蒼井琥翔の襟首を掴んだ。

「琥翔、この家の長男だからって偉そうにするな!何が偉いんだ!本当に俺がお前を恐れていると思っているのか?」蒼井陽翔は続けた。「言っておくが、お前のその長男ぶった態度にはとっくに我慢の限界だ!お前が何様のつもりだ?何の権利があって俺に説教できる!何の資格があって紫苑をこの家から追い出せる!」