212:身内の恥を清め、関係を断つ_4

この言葉は少しも大げさではない。

蒼井大婆様は蒼井紫苑のせいで命を落としかけた。

蒼井華和は蒼井紫苑のせいで名誉を失いかけた。

そして蒼井遥真も、蒼井紫苑のせいで人生の幸せを台無しにされそうになった。

しかし今。

蒼井陽翔は口を開けば紫苑を守ると言い張っている。

まったくもって笑止千万だ!

この瞬間、蒼井琥翔はこの弟を認めたくないとさえ思った。

蒼井陽翔も怒り出した!

家族が何度も自分と紫苑をこのように扱うのは、自分が甘く見られているとでも思っているのか?

蒼井陽翔は立ち上がり、蒼井琥翔の襟首を掴んだ。

「琥翔、この家の長男だからって偉そうにするな!何が偉いんだ!本当に俺がお前を恐れていると思っているのか?」蒼井陽翔は続けた。「言っておくが、お前のその長男ぶった態度にはとっくに我慢の限界だ!お前が何様のつもりだ?何の権利があって俺に説教できる!何の資格があって紫苑をこの家から追い出せる!」

蒼井陽翔は長い間、蒼井琥翔に不満を抱いていた。

特に前回、蒼井琥翔が華和のために彼を平手打ちした一件。

二十年以上の兄弟の情が、結局はたった数ヶ月しかいない人物にも及ばないとは。

あの平手打ちは、蒼井陽翔の心を深く傷つけた。

一体自分が何を間違えたというのか、蒼井琥翔が平手打ちをするほどの。

ただ華和との縁を切ると言っただけなのに。

しかしあの日、そんな言葉を吐いたのには理由があった。

誰だって、あんな恥知らずな妹なんて欲しくないだろう!

「蒼井陽翔!兄から手を離せ!」蒼井修誠がこの時口を開いた。「言っておくが、この家では琥翔は私以上にお前を諭す資格がある!誰をこの家に置かないかを決める資格もある!」

蒼井修誠のこの言葉は、大きな声で力強く、その場にいる全員の耳に明確に届いた。

「お前は本当に目に余る!」

蒼井修誠は今、蒼井陽翔に深い失望を感じていた。

この息子はまだ救えると思っていたのに。

まさか……

蒼井陽翔は蒼井琥翔から手を離し、蒼井修誠の方を向いた。「父上、あなたはこの家の家長として、是非をわきまえているはずです!この件は紫苑とは何の関係もありません。なぜ彼女を家から追い出さなければならないのですか?」