「いいえ。」
「そんなはずがない!」
蒼井陽翔の家の監視カメラは彼女が自ら壊したのだから。
壊れた監視カメラがどうして有力な証拠を撮れるというの。
もし本当に何か撮られていたのなら、玲姉はとっくに監視カメラの映像を持ってきて対質していたはずよ。こんな脅し文句を言うはずがない。
「私は行っていない。行っていないものは行っていない。どうしてあなたたちは私が行ったと言い張るの!」ここまで言うと、蒼井紫苑は椅子から立ち上がった。「お兄さんに会わせて!直接話を聞かせて、どうして事実でもないことを作り上げたのか!お兄さんは私が一番信頼している人で、この世界で数少ない信頼できる親族なのに!どうして、どうしてこんなことをするの!」
最後には、蒼井紫苑は崩れ落ちるように大泣きし始めた。