218：報いが来た、悪人には悪人が現れる_5

榊原満山は頷いて、周防燕子の肩を抱き、「もちろん本当だよ、早く部屋を選んでおいで」と言った。

周防燕子は地面に横たわったままの蒼井紫苑を見て、「でも、彼女が同意するかしら？」と尋ねた。

「ここは俺の家だ！彼女に何の権利があるんだ？」榊原満山は蒼井紫苑を一瞥して、「もし一言でも反対を言ったら、ぶん殴ってやる！」

蒼井紫苑が自分の実の娘だからこそ！

蒼井紫苑の命さえも自分が与えたのだから、一軒の家なんて言うまでもない。

「はい！」周防燕子は靴も履き替えずに、すぐに走って部屋を選びに行った。

カーペットに付いた足跡の列を見て。

蒼井紫苑はもう我慢の限界だった。

これは彼女の家なのに！

なぜ榊原満山のようなギャンブル中毒者と風俗嬢を住まわせなければならないのか？

「出て行って！出て行きなさい！」蒼井紫苑は地面から立ち上がり、玄関を指差して叫んだ。「早く出て行って！」

榊原満山は聞こえないふりをして、冷蔵庫のドアを開け、リンゴを取り出して食べ始めた。

周防燕子はどこかのクローゼットから毛皮のコートを取り出して身に纏い、歩きながら言った。「榊原さん、このコート私にくれない？」

榊原満山は頷いて、「もちろんいいよ、ベイビー、これからここはお前の家だ。好きな服を着ればいい！」

「ありがとう、ダーリン！」

周防燕子は再び榊原満山にキスをした。

榊原満山は有頂天になった。

お金があるっていいものだ！

誰もが金持ちになりたがるわけだ。

蒼井紫苑は自分の大好きな毛皮のコートが気持ち悪い風俗嬢に着られているのを見て、昨日の食事まで吐き出しそうになった。すぐに周防燕子の側に駆け寄り、「脱ぎなさい！早く脱ぎなさい！」

「榊原さん、あなたの娘を見て！すごく怖いわ！」周防燕子は榊原満山の腕に抱きつき、甘えた声で言った。「私、怖いの！彼女が私を怖がらせるわ！」

「この生意気な！彼女が誰だか分かってるのか？」榊原満山は蒼井紫苑の頬を平手打ちした。「もう彼女と入籍したんだ。これからは彼女がお前の母親だ！もしまたお前の母親に手を出したら、この不孝者、殺してやる！」

蒼井紫苑はその平手打ちで呆然とした。

彼女は蒼井家で甘やかされて育った娘で、幼い頃から誰も彼女を叩くことなどなかった。

蒼井修誠と篠崎澪でさえ、一度も手を上げたことはなかった。

しかし今日。