彼女こそが蒼井家で最も腹黒い人物だった!
「榊原芳乃、よくも私に会いに来れたものだな」蒼井陽翔は振り返って蒼井紫苑を見た。
今の彼は、紫苑に蒼井の姓を名乗る資格はないと思っていた。
彼女は「蒼井」という名を汚しているに等しかった。
榊原芳乃は永遠に榊原芳乃でしかない!
蒼井紫苑は涙ながらに言った。「お兄ちゃん、私をもう妹として認めてくれないの?私たちの関係がどうしてこうなってしまったのか分からないわ。お兄ちゃんが人を殺すはずがないって分かってる。でも、どうして嘘をつくの?あの夜、私は確かにずっと彤彤と一緒にいたのに、どうしてお兄ちゃんは私を見たって言うの?」
蒼井陽翔は蒼井紫苑をじっと見つめ、顔には嫌悪感を露わにした。「榊原芳乃、自分が吐き気がするほど嫌な人間だと思わないのか?」