第21章 クズ父に責められる

鈴木家の母娘がいなくなり、夏川清美はぐっすり眠れた。

朝、爽やかな気分で階段を降りると、暗い表情をした林富岡の姿が目に入った。

「ひざまずけ!」

夏川清美が近づく前に、林富岡は低い声で怒鳴った。

夏川清美は四十五歳の壮年期にある男性、実の父親を見上げ、内心で嘲笑いながらも、表情は無邪気そのものだった。「お父さん、どうしてですか?」

「どうしてだって?よくもそんなことが聞けたものだ!」林富岡は怒りで体を震わせながら、前に出て夏川清美の鼻先を指差した!

「私がなぜ聞けないのですか?」目の前の是非をわきまえない父親と称する人物を見つめながら、夏川清美は冷静な目で問い返した。

「お前...まだ自分が悪いと思わないのか?」林富岡は目の前の娘が以前と何か違うように感じたが、どこが違うのかはわからなかった。

夏川清美は首を振った。「私が何を知るべきなのですか?」

「お前が人を雇って英おばさんと晓染に復讐し、彼女たちの足を折ったんじゃないのか?」娘の困惑した表情を見て、林富岡はさらに怒りを募らせた。

「彼女たちがそう言ったんですか?」夏川清美は驚いた表情を浮かべ、美しい桃の花のような目には信じられない様子が満ちていた。

林富岡は夏川清美の反応が演技ではないことを見抜いたが、長年の習慣で叱責を続けた。「英おばさんと晓染がお前を陥れるわけがないだろう?」

「警察に通報しましたか?」夏川清美は真摯に尋ねた。「もしまだなら、おばさんと晓染に通報してもらいましょう。足を折るのは故意の傷害罪です。真犯人が見つかれば、私も疑いを晴らせます。」

「お前...彼女たちが通報しないのもお前のためだ。」先ほどの電話を思い出し、林富岡は怒りが収まらなかった。

「お父さん、おばさんに電話して、通報するように言ってください。」夏川清美は断固とした態度を示した。

林富岡は娘の落ち着いた様子を見て少し躊躇い、事態が誤解かもしれないと感じ始めた。鈴木末子に電話をかけ、まず警察署に行って届け出をし、それから病院に行くと伝えた。

向こうで鈴木末子が何か言ったようで、林富岡は通報を諦めたが、夏川清美を見る目はまだ不満そうだった。「病院に行っておばさんと晓染に謝りなさい。」

夏川清美は内心で冷笑した。これは直接罪を認定したということか?