第23章 結城様、また美景を目にする

結城家の本邸。

夏川清美が二階に上がると、結城陽祐、結城お爺さん、乳母、さらには国内でも有数の小児科医までもが居合わせていた。

健二が夏川清美を案内して上がると、皆の視線が一斉に彼女に集中した。

結城お爺さんは昨夜夏川清美に会ったが、あまり印象に残っていなかった。梶原先生でも手に負えないのに、孫がこんなぽっちゃりした娘を呼んでくるとは思わなかった。探るような目で見つめた。

夏川清美は高ぶることも卑屈になることもなく、老人の視線を受け止め、丁寧に挨拶を済ませてから結城陽祐の方を向いた。「結城様、赤ちゃんを抱かせていただいてもよろしいでしょうか?」

結城陽祐が頷く前に、藤堂さんが泣き続ける小さな坊ちゃんを急いで夏川清美に手渡した。「林さん、坊ちゃんは朝から泣き止まず、喉も少し腫れてきて、今まであまりミルクも飲んでいないんです。」