第30章 二少はデブ野郎の肩を持っているの?

「おばさん、もし私が本当に動画を持っていたら、それを公開したら……」夏川清美は鈴木末子と林夏美の二つのベッドの間に立ち、鈴木末子が動揺しているのを見て、突然彼女に向かって口の形で言った。

林富岡は結城陽祐にお茶を丁寧に注いでいて、こちらの様子に気付かず、二人の警官は状況が分からず、うずくまって鶉のようにしていた。

鈴木末子は夏川清美の口の形を理解し、急に頭を上げて叱りつけた。「夏美、この分別のない子、どうして使用人の一言で妹を疑うの?謝りなさい!」

「お母さん……」林夏美は不安を感じ、夏川清美が破滅的な行動に出ることを心配していたが、結城陽祐がいる前で面子を失いたくなかった。

「早く謝りなさい」鈴木末子は娘の不満げな表情に目もくれなかった。

林夏美に動画があるかどうかは別として、子供が夏美のものではないということが暴露されれば、その時はDNA鑑定で真実が明らかになる。