第31章 ぽっちゃりくんの言う通り

気づいた後、林明里は目を大きく見開き、その中には信じられない思いが満ちていた。

結城様がなぜデブ野郎の林夏美をかばうの!

どうして?

それに、謝罪したのにどれだけ誠意を見せればいいの?

夏川清美は結城陽祐に視線を向けた。この男は何をしているの、彼女の代わりに恨みを買おうとしているの?

婚約者はもういらないの?

「お二人の警察官、誹謗中傷による故意の傷害は法的にどう処理されますか?」現場で誰も反応しないのを見て、結城陽祐はゆっくりと田中くんと氷川くんに視線を向けた。

指名された田中くんと氷川くんは揃って唾を飲み込み、異口同音に答えた。「この罪を犯した場合、3年以下の懲役、拘留、管制または政治的権利の剥奪に処せられます。」

「それは必要ないでしょう。明里は私の婚約者ですから、刑務所に入れるわけにはいきません。自分で頬を二回叩くことにしましょう。」そう言って夏川清美の方を見上げた。「ぽっちゃりくん、彼女はあなたの姉さんだけど、訴えたりしないよね?」