第38章 彼女のカードを全て停止しろ

夏川清美は何度も雲おばさんの番号をかけたが、まだ通じなかった。

林家に着くと、健二は身分が特殊なため外で待っていた。清美は本邸に戻らず、後ろの小さな建物に向かった。近づく前に冷たい声が響いた。「止まれ!」

清美は足を止め、振り返ると、林富岡が階段の上に怒り狂って立っていた。顔中怒りに満ちていた。

「母親と姉の生死も気にせず、夜遅くまで帰らないなんて、林夏美、お前は本当に良心もなければ恥も知らないな」林富岡は清美が動かないのを見て、末子の言った言葉を思い出し、この娘がますます見知らぬ人のように感じられた。

「お父様の言葉がよく分かりません。私の母は何年も前に亡くなり、一生私一人しか子供がいませんでした。どこに母親や姉がいるというのですか?」以前なら、彼女はまだ林家でその母娘と駆け引きをし、この所謂父親の支持を得ようと思っていたかもしれない。