夏川清美は赤ちゃんを抱き上げて慰めました。赤ちゃんは明らかにお腹が空いていたので、彼女は赤ちゃんの小さな手を中に入れて慰め、チュパチュパと音を立てて吸われました。
一時的に泣き止んだので、夏川清美は結城陽祐の方を向いて、「隠れた方がいいんじゃない?」と言いました。
結城陽祐は彼女を冷ややかに一瞥し、ドアを開けて出て行きました。
ちょうどノックしていた藤堂さんは、「二...二少様?」と驚きました。
目の錯覚かと思ったほどでした。
結城陽祐は軽く頷き、何事もなかったかのように自分の部屋へ向かいました。
藤堂さんは二少様の後ろ姿を見て、そして赤ちゃんを抱いている夏川清美を見て、「二少様がどうしてここに?」と尋ねました。
「赤ちゃんを見に来たんでしょう」
「でもこのドアは?」なぜ内側から鍵がかかっていたのか、藤堂さんは不思議に思いました。