「どんな条件?」条件交渉?結城陽祐は眉を上げた。このぽっちゃりくんは本当に大胆だ。銃創を負っているのを知っているのに、まだ言い出すとは。
「考えてからお話しします」話しながら夏川清美は医療箱を持ってきた。結城陽祐が承諾しないのを見て、「怖いんですか?」
「ふふ、始めよう」結城陽祐はぽっちゃりくんの条件を満たせないとは思っていなかった。
夏川清美は突然笑って、「私と結婚することが条件だったら怖くないですか?」
結城陽祐の動きが一瞬止まった。「林さんはそんなつまらない人には見えませんが」
「そうですね。私みたいな200斤のぽっちゃりは、普通、体の丈夫な人を探しますから」言い終わると、夏川清美は突然消毒用の綿球を使い始めた。
結城陽祐は痛みで眉をしかめながら、頭の中で夏川清美の言葉を反芻していた。このぽっちゃりくんは、自分の体が弱いことを非難している?満足させられないと?
琥珀色の細長い瞳には大きな疑問を浮かべながら、その白くぽっちゃりとした両手が自分の腹筋の上で動くのを見つめ、まるで「今の言葉は何を意味していたの?」と問いかけているようだった。
夏川清美は男を横目で見て、まるで「あなたの想像通りですよ」と答えているかのようだった。
「くそっ!」結城陽祐はこの意地悪な女の意図が分かってしまった。彼女は自分が駄目だと言っている。駄目だ、駄目だ、駄目だ……
次男は悔しかった。どうやってぽっちゃりくんに自分が大丈夫だと証明すればいいのか?
そんな時、夏川清美は直接綿球を傷口の中に擦り込んだ。痛みと怒りで、結城陽祐は思わず罵声を上げてしまった。
夏川清美の手の動きが止まった。「噂では結城家の次男は美形で紳士的だと聞いていましたが、百聞は一見にしかずですね」
結城陽祐、「……」
深呼吸。
「弾丸の破片を取り除く必要があります。我慢してください」夏川清美はまるで先ほどの発言が最も普通の会話だったかのように、冷静で真剣な表情で、どの外科医にも引けを取らない様子だった。
結城陽祐は眉をしかめた。これはぽっちゃりくんではなく、狐狸なのではないか。
それも太くて毒舌な種類の。