夏川清美が赤ちゃんを寝かしつけたのは、それから二時間後のことだった。
藤堂さんと一緒に産後の食事をとるのは不自然ではなかったが、こっそり授乳するのはよくないと思い、夏川清美はいつか藤堂さんに話そうと考えていた。
数日一緒に過ごすうちに、藤堂さんはとても共感力のある信頼できる人だと分かった。
もう一人の産後ヘルパーの山田麗は、あまり育児室に来ないし、子供にも関心がないので、なんとかなりそうだった。
食事を終えると、夏川清美はメールを受け取った。
藤原先生が依頼を引き受けてくれたので、雲おばさんの件は全て任せることにし、自分は関与しないことにした。
今日のような状況は二度と起こしたくなかった。
お金を受け取る前なら好きにできたが、結城家から三百万円のヘルパー料を受け取った以上、誠心誠意尽くさなければならない。