第41章 鈴木の母娘が夏川清美の金に目をつける

林富岡は夏川清美が120番に電話をかけて雲さんを連れて行くのを見ていたが、その過程で完全に無視されていた。

この数年間、林富岡はこの娘をますます軽視するようになった。それは彼女の誕生が最初の妻の死を引き起こしただけでなく、夏川清美の性格が好ましくなく、無口で自信がなく、厚い前髪が彼女を陰鬱で偏執的に見せ、全く愛想がなかったからだ。

それに比べて継娘はますます優秀になり、美しく思いやりのある娘に成長し、今では結城家の次男と付き合うようになり、将来は限りない。これから林家にもたらす栄誉と利益は計り知れないものだった。

今回の夏川清美の帰郷で、少し太ったものの、話せるようになり、分別も出てきたと思っていたが、まさかこんなに早く彼を眼中に入れなくなるとは思わなかった。

今日の鈴木執事は確かに横柄だったが、あの娘も人を見下しすぎだ。

考えれば考えるほど林富岡は腹が立った。そこへ鈴木政博は夏川清美が雲さんを連れて行ったことを知り、すぐに跪いて謝罪した。「義兄さん、私が一時の感情で…昨晩あのお婆さんが清美さまに電話をかけ、林家に戻るなと言い、あなたと姉が清美さまを虐げていて、最初の奥様に申し訳ないことをしたと…それで我慢できずに手を出してしまいました。」

「何だと?」林富岡は聞いて手が震えた。「雲さんが本当にそう言ったのか?」

林富岡はようやく、なぜ良い娘が突然自分を憎むようになったのか分かった。雲さんという老婆が裏で悪さをしていたのだ。

「清美さまが結城家でベビーシッターをしているとも聞きました。」鈴木政博は既に燃料を用意していたので、当然火をつけなければならなかった。

「何だって?」林富岡は驚いて鈴木政博を見た。そんなはずがない。

彼らの林家はまさに結城家と縁組みをしようとしているのに、今彼の末娘が結城家でベビーシッターをしているなんて、彼を何だと思っているのか、林家を何だと思っているのか?

「人づてに聞いただけですが、今日夏川清美さまと一緒にいたのは結城様の運転手でした。」鈴木政博の言葉の端々には人づてという言葉があったが、一言一句が夏川清美を打ちのめすものだった。

「この不肖の娘め、恥知らずな不肖の娘!」林富岡は怒りで机を強く叩いた。「行って調べてこい、一体どういうことなのか。」