第52章 DNA鑑定の結果

林夏美はようやく冷静さを取り戻し、「他に何か分かったの?」と尋ねた。

「常盤健二が結城家傘下の国際DNA検査機関に行きました」相手は慎重に答えた。

バン!

林夏美は手が震え、携帯を床に落としてしまった。

しばらくしてから拾い上げ、顔色を失って「サンプルを入れ替える方法はある?」と聞いた。

「三百万です」電話の向こうの人は少し躊躇してから、三文字で返事をした。

林夏美は怒りで携帯を投げ出しそうになった。また三百万か。この数日、三百万との戦いになっているのか。

何度か深呼吸をした後、林夏美は携帯を握り、一文字一文字入力して「了解」と送信した。

「句点」は林夏美のQQアカウントの友達の一人だった。後にそのアカウントは林明里が使うようになり、偶然にもこの「句点」が凄腕のハッカーだと知り、ずっと連絡を取り続けていた。林夏美の件で、ついに役立つ時が来たのだ。