第89章 ダイエットの停滞期

電話を切ると、夏川清美の憂鬱な気分が良くなった。

彼女は常に藤原先生の能力を信じていた。そうでなければ、前世の人脈を使って彼を頼むことはなかっただろう。

案の定、期待を裏切らなかった。

ずっと張り詰めていた心が少し軽くなり、結城お爺さんと太極拳を練習し終えて、シャワーを浴びて食堂に向かうと、濃厚な香りが漂ってきた。

中に入ると、テーブルには煮込みコイ、松鼠魚、フライドフィッシュが並んでいた。彼女が呆然としている間に、料理人がフナのスープを運んできた。その香りはスープから漂ってきたものだった。

清美は無意識に唇を舐め、料理人を見て、「全部魚料理?」と尋ねた。

「そうですね。二少様のご指示です」料理人は一言答えると、また台所に戻って忙しく立ち回り、清美は呆然とさまざまな調理法の魚料理を眺めていた。