上階。
結城陽祐はソファに寄りかかりながら、健二の方を見て「ウェディングドレス選び?」と尋ねた。
「はい、槙島様が三着のウェディングドレスを持ってきて、清美さんに選んでもらうようです」健二は正直に報告した。前回のDNA鑑定以来、陽祐さんが清美さんにより一層注目するようになったと感じていたが、証拠はなく、陽祐さんも鑑定結果を教えてくれなかった。
「あの体型で何を選ぶというんだ?」結城陽祐は軽く嘲笑した。
健二は驚いて自分の上司を見つめた。「それは...太めの女性にも幸せになる権利はあります」
陽祐さんは紳士で、人の陰口を最も嫌う人なのに、今日は清美さんの体型を批判している。健二はこれは品位に欠けると感じた。
しかし健二が言い終わると、結城陽祐は真剣な表情で彼を見つめ「槙島秀夫があのぽっちゃりくんを幸せにできると思うか?」と尋ねた。