鈴木末子は眉をひそめ、看護師がなぜ夏川清美の名前を出したのか分からなかった。
「お母さん、聞いてきて」林明里は林夏美が一番嫌いで、突然看護師の口から彼女の名前を聞いて、気分が悪くなった。
「分かったわ、すぐに聞いてくるわ」鈴木末子も不思議に思い、返事をして看護師に聞きに行った。
外には多くの人が集まっており、少しうるさかった。
鈴木末子は手近な看護師を捕まえて尋ねた。「何を話しているの?随分と賑やかね」
若い看護師は鈴木末子を認識し、これが林家の奥様で、お手入れは行き届いているものの性格のよくない人だと知っていたので、我慢強く説明した。「明後日に病院で3年に一度の医術コンテストが開催されるので、みんな参加する医師について話し合っているんです」
「医術コンテスト?」鈴木末子は最近病院に入院していて、少しは聞いていたが、先ほどの人々が出した名前が気になって尋ねた。「さっき夏川清美という名前を聞いたんだけど」