夏川清美は彼らの話を聞いて、足を止め、突然ドアを押し開けて中に飛び込んだ。その数人は一瞬見て慌てなくなり、ゆっくりと近づいてきた。
下品な笑い声が地下二階全体に響き渡った。
今日は病院で医術大会が開催され、全員が上階に配置されており、地下二階は空っぽだった。
殺人と強盗には最適な場所だった。
四人は猫がネズミを追いかけるように夏川清美が入った部屋の入り口まで来ると、そこには「霊安室」という三文字が大きく書かれているのを見て、思わず身震いした。
リーダーは一瞬戸惑ったが、その後地面に激しく唾を吐いた。「くそっ、縁起でもない!」
この階に人がいないのは、霊安室がここにあるからだと分かった。
「山田兄さん、入りますか?」臆病な金髪が後ずさりしながら小声で尋ねた。
「入るさ、なんで入らねえんだ!」リーダーが話す前に、バンダナを巻いた不良が歯を食いしばって嘲笑した。
リーダーがようやく口を開いた。「幽霊なんか怖がるな、みんな死体だろ。あとでデブを引っ張り出せば、ボスが好きにしていいって言ってたぞ。殺さなくても、ちょっと撮影すりゃいい。」
「でも……」
「でもじゃねえよ、百万円をタダでもらえると思ってんのか、入れ!」金髪が何か言おうとしたが、仲間に叱られ、痩せた体を縮めて、おとなしく従った。
中に入るなり、四人は同時に身震いした。
金髪は怯えて自分を抱きしめた。「あ、あにき、陰風が!」
「陰風じゃねえよ、ここは霊安室だ。冷気があるのは当たり前だろ。そうじゃなきゃ死体が腐るだろうが。」リーダーも相当怯えていたが、金髪の言葉を聞いて強がって叱りつけた。
しかし、彼の言葉はかなり効果があり、金髪の震えは少し収まった。
「こんなに広いところをどうやって探すんだ?」バンダナ男は広大な霊安室を見渡し、先ほどの強気な態度は消え、全身が落ち着かない様子だった。
彼らは誠愛病院の地下の霊安室がこんなに広いとは知らなかった。見渡す限り数十列あり、各列には少なくとも二十体の遺体があった。縁起が悪すぎる!
「手分けして探そう。」リーダーも思わず身震いした。この霊安室は本当にでかすぎる。