第111章 未完の手術を続ける

ふぅ!

結城陽祐が目を閉じるのを見て、夏川清美は深く息を吸い、輸血バッグを準備として掛け、メスを取り出した。

手術から2ヶ月余り経っていないとはいえ、新しい人生に変わり、林夏美の体に宿っているため、多くのことがすでに変わってしまっていた。

変わらないのは、骨の髄まで染み付いた技術だけだった。

前世では幼い頃から漢方医学を学び、後に西洋医学に転向し、無名な漢方医の家系の少女から注目を集める外科の名手となり、その成長は伝説として語られるようになった。

しかし誰も知らない。他人が天才だと思っているのは、ただより多くの努力とより多くの汗を流しただけのことだということを。

夏川清美は結城陽祐の胸に集中し、ぽっちゃりとした手が手袋をきつく引き締め、今の緊張した心のように。

以前の予測した状態と比べて、結城陽祐の状態は明らかに悪化していた。