第144章 二少の早期回復を願って

健二が入室すると、病室の雰囲気が何かおかしいと感じた。

結城陽祐を見て、そして夏川清美を見て、最後に清美の奇妙な髪型に目が留まった。少しの間外に出ていただけなのに、清美さんの髪型が変わっていた。しかも、半分結んで半分下ろしているなんて、一体どういうことだ?

それにカーテンはどうしたんだ?テーブルも...あれ、誰がリンゴを切ったんだ?疑問に思いながら、健二は若旦那の掛け布団に目をやり、何か変な感じがして急いで前に出た。「若旦那、すぐに取り替えます...え...」

布団に触れた瞬間、健二は結城陽祐のズボンの片方が普通なのに、もう片方が半分ほど破れているのを見た。破れているというのは、ズボンの裾が異常に荒々しくなっていたからだ。

健二は恐る恐る顔を上げ、青ざめた若旦那の顔を見た。「若旦那...」