第146章 見物に行こう！

結城陽祐は病室が荒らされたことが、自分の我慢の限界だと思っていた。

しかし、彼は間違っていた。

翌日、料理人が持ってきた朝食が三つの異なる形と大きさに分けられ、三色のお粥が混ぜられているのを見た時、結城陽祐は両まぶたがピクピクするのを感じた。

「どういうことだ？」必死に抑えて、結城陽祐は執事の前で態度を崩さなかった。

「はい、林さんが医者として体力回復の方法をよく知っているということで、今後の三食は林さんが担当することになりました」執事は夏川清美への賞賛を顔に浮かべながら説明した。

結城陽祐は深いため息をついた。

執事が去った後、結城陽祐が保温容器を捨てようとした時、携帯が「ピッ」と鳴った。開いてみると、夏川清美が可愛らしい絵文字を送ってきており、画面越しにも向こうの不気味な口調が伝わってきた。「朝食も条件に含まれていますよ」

結城陽祐「……」

落ち着け！

三日間はすぐに過ぎるはずだが、結城陽祐にとってはとても長く感じられた。

胸の痛みに加え、ぽっちゃりくんが時々与えてくれる'サプライズ'で、生活は色とりどりになった。

三日目になると、結城陽祐は「うん、美味しいね」と返事できるようになっていた。

健二は感心した。二少様の潔癖症も治せるものなのだな、と。

心臓病も完治できたらどんなにいいだろう。

そう考えると健二は憂鬱になり、結城陽祐を車椅子に座らせながら「二少様、本当に行かれますか？ぶつけたりして傷が炎症を起こしたらどうしましょう」

「うるさい」自分の婚約パーティーに行くわけじゃない。ぽっちゃりくんの様子を見に行くんだ。

この婚約パーティー、結城陽祐は元々自分で出席するつもりはなかった。手術失敗を発表した以上、手術失敗らしい様子を見せなければならない。しかし、このまま病室に留まっていたら、神経衰弱になりそうだった。

二少様に叱られても、健二は全く気にしなかった。むしろより心配になった。「二少様、野村秘書がスタイリストの手配を済ませました。今すぐ来てもらいましょうか」

彼は二少様がもう長くないと感じているから、後悔を残さないように自ら婚約パーティーに参加したいのだと理解していた。

そう考えて確信に満ちた様子で頷いたところ、結城陽祐の軽蔑するような視線に出会い、頭の中が疑問だらけになった。理解が間違っていたのか？