第150章 そう、私は厚かましい!

山田美衣は三秒間の間を置いてから、慌てて夏川清美の側に駆け寄り、「彼女は嘘を言っています。槙島様は元々姉の彼氏だったのに、この太った女が槙島様を奪ったんです」と言いました。

「ええ、体重百五十キロの太った女があなたの美しいお姉さんの彼氏を奪ったんですね」と夏川清美は冷ややかに付け加えました。

山田美衣は一瞬固まり、「...ほら見てください、自分で姉の彼氏を奪ったことを認めています。本当に恥知らずですね」

「そうですね、私は恥知らずです」と夏川清美は相づちを打ちました。

「あなた...よくそんな厚かましいことが!」山田美衣は美しい目を見開き、娇声で夏川清美を指さしました。

夏川清美は頷いて、「はい、私は厚かましいです。どいていただけますか?」

山田麗は胸に不吉な予感が芽生え、山田美衣が再び夏川清美を非難しようとした時、自撮り棒を握り、丁寧にメイクを施し、わざと少し疲れた表情を作った顔をカメラに向けて、「申し訳ありません、皆さん。美衣が少し興奮してしまいました。今日は夏美ちゃんの婚約式をライブ配信するためだけに来たんです。他のことは全然重要ではありません。槙島様は会社のために...まあ、もうこの話はやめましょう。私の親友を皆さんに紹介させていただきます」

わざと言葉を途中で切り、視聴者に無限の想像の余地を与え、そしてカメラを林夏美に向けました。

先ほどまで夏川清美のあまりにも率直で強気な態度に戸惑っていた視聴者たちは、すぐに歓声を上げ始めました。「あぁ、仙女は仙女と友達になるんですね」

「リリーの友達は本当に仙女のように美しい!」

「どちらも花嫁なのに、なんでこんなに差があるの?」

「あれ、彼女って『狐妖』の女性脇役の林夏美じゃない?」とあるファンが突然驚いて尋ねました。

皆は一瞬驚き、すぐに検索を始め、しばらくすると誰かが確信を持って言いました。「わぁ、本当に『狐妖』の女性脇役の柴田明子だ!」

林夏美は夏川清美と違い、服飾とパフォーマンスを学んでいました。大学二年生の時に小規模制作のウェブドラマに出演し、トレンドに乗って、そのドラマは少し話題になりましたが、林夏美自身は売れませんでした。それでも公人と言えるので、突然ネット配信者のライブ配信に登場すれば、ある程度の注目を集めることは間違いありませんでした。