第195章 うん、後悔しない

配信ルームの視聴者たちは静かだった。

人生を疑うほど静かだった。

特に女性視聴者たちは、結城家の次男の絶世の美貌を目の当たりにした直後、その彼が200キロの太った女性と手を繋いで婚約式の舞台に上がるのを目撃してしまった。

どれほど深い愛があれば、こんな勇気が持てるのだろうか?

美女と野獣には慣れていたが、美男と野獣は初めての経験で、画面の向こうの視聴者たちは価値観が大きく揺さぶられた。

しかし、それだけではなかった。

彼らの夏美ちゃんの最後の一幕が人々の視界に焼き付いた。嫉妬と憎しみで歪んだ恐ろしい顔は、皆に大きな衝撃を与えた。

まるで狐妖が人間の仮面を剥ぎ取り、醜い本性を露わにしたかのようだった。

林夏美に対する同情と惜しみの気持ちは、彼女の最後の表情によって完全に消え去った。

多くの人が林夏美のウェイボーのスクリーンショットを見返し、「私の恋愛に手段は必要ない」「愛してる、感謝!」という言葉が、まさに今年の自己矛盾の代表作だと感じた。

林夏美はどれほど厚かましいのか、正陽様の子供の母親を名乗り、さらに次男が娶るのは自分だと思い込むほど自己愛が強いのか。

さらに驚いたのは、一人の人間がここまで思い込みが激しいということだった。

以前は彼女の美貌を認め、美人が少し自己愛的なのは普通だと思っていたが、結城陽祐のあの顔を見た後では、皆はそうは思わなくなった。林夏美はどれほど厚かましければこんな行動を取れるのか?

最後に思わず疑問が湧いた。林夏美の顔が大きいから、正陽様は彼女を選んだのだろうか?

今から顔を太らせても間に合うだろうか?

配信ルームは悲鳴に包まれ、多くの女性視聴者たちは直接ポテトチップスやお菓子を注文して買い溜めを始め、某猫サイトでお菓子が品切れになり、販売者は困惑した。

しかし、さらに困惑したのは、婚約式がまだ終わっていないうちに、以前林夏美を侮辱した視聴者たち全員が結城財閥の法務部から内容証明を受け取ったことだった。

この迅速な対応に世間は震撼した。

一方、婚約式の会場では。

波乱万丈を経て、ついに婚約指輪の交換の時を迎えた。

結城陽祐は目の前のウェディングドレス姿の、桃のような大きな瞳が黒く輝く林夏美を見つめ、「指輪を交換したら、後悔する機会はないよ」と言った。