結城陽祐と同じように苛立っていたのは、弁護士からの警告状を受け取った多くのネットユーザーたちだった。
結城陽祐の雷のような手段は、すべてのネットユーザーに妻を守る決意を見せつけ、もはや誰も夏川清美の悪口を言う勇気はなくなった。
しかし、警告状を受け取った人々は元々最も不満が大きく、気性が荒かった。そうでなければ、状況も分からないまま夏川清美に対して言葉による攻撃を仕掛けることもなかっただろう。
今や被告となる立場に追い込まれ、怒りは増すばかりだが、結城財閥と対抗する勇気もなく、自然と他の人々へと矛先を向けることになった。
そして山田麗、槙島秀夫、林夏美が格好の的となった。
特に林夏美は、以前持ち上げられていた分、今は落ちぶれ方も激しかった。
山田麗が山田美衣にライブ配信させた時、人々はまだ林夏美が第三者だという件について疑問を持っていた。しかし林夏美の確認の一言で、人々は山田麗が被害者だと確信するようになった。