第201章 うん、もう一度上げて

電話を切ると、結城陽祐は携帯を開いてネット情報を閲覧し始めた。

ネット上では夏川清美への誹謗中傷は収まり、代わりに弁護士からの警告状を受け取った人々の悲鳴と、林夏美への冷ややかな嘲笑が広がっていた。

しかし、その中には彼と夏川清美の結婚を不安視する声も混ざっていた。

結城陽祐はあまり気にしていなかった。彼とぽっちゃりくんの結婚を祝福しないほうが普通だと思っていた。

携帯を置くと、夏川清美は木村久美を抱いて出てきた。

お腹いっぱいの小さな子は丸い大きな目で夏川清美を見て、また結城陽祐を見て、二人の大人の間の気まずい雰囲気を全く感じ取れていなかった。

「あの...」先ほどの狼狽した場面を思い出し、夏川清美の頬がまだ少しピンク色だった。ただ、小さな子が甘えん坊で、自分の体型が不器用で、本当に...ファスナーが上げられなかった。