第220章 彼女は意地悪すぎる

夏川清美は不思議に思った。結城陽祐がなぜ実家に戻ってきたのだろうか?

そう考えていた時、赤ちゃんの部屋のドアが開き、彼女は顔を上げると車椅子の男性を目にした。

夏川清美は思わず、自分が脱いだばかりの上着を見た。

結城陽祐は夏川清美の視線の先を追い、その上着が脱がれているのを見て気分が少し良くなった。しかし、彼女の首元に目が留まった時、急に表情が暗くなった。「どうしたんだ?」

夏川清美は意味が分からず、「何がどうしたんですか?」

そう言って夏川清美は結城陽祐の視線に従って下を向くと、自分のシャツのボタンが二つ開いていて、林夏美に火傷させられた箇所が丸見えになっているのに気づいた。

「大したことありません」夏川清美はあまり気にしていなかった。ただの火傷の赤みだった。