第221章 心変わりか、それとも徹底的な追い詰めか?

夏川清美は異常に気付き、突然目を開けて、表情を引き締めた。「最近このような状態がよく起こりますか?」

「どんな状態?」結城陽祐は少し心虚になった。

「心拍が速くなること」夏川清美は真剣に尋ねた。もし手術後にこのような状態が頻繁に起こるのなら、結城陽祐の術後に病変があるのではないかと心配だった。

「いいえ、私は大丈夫です。もうすぐ検査があるので、健二が病院に送ってくれます」結城陽祐は突然ばれてしまい、慌てて話した。

外から入ってきた健二は、二少様に何があったのか分からず、緊張して前に出た。「お体の具合はいかがですか?」

「大丈夫だ、病院に戻ろう」結城陽祐は声を落ち着かせようと努めた。

「はい」健二は急いで返事をし、結城陽祐を病院に連れて帰ろうとした。

夏川清美は訳が分からない様子で、そのとき眠っていた木村久美が騒がしさで目を覚まし、ベッドの上でもぞもぞと動き始めた。夏川清美は急いで抱き上げ、優しく声をかけ、その眼差しは水のように優しかった。

帰ろうとしていた結城陽祐はちょうどその光景を目にし、このぽっちゃりくんが自分のお金と赤ちゃんを狙っていると思い、木村久美を見る目が急に冷たくなった。

夏川清美は結城陽祐の視線を感じ、この男が数日木村久美に会えなかったので恋しがっているのだと思い、急いで木村久美を抱いて前に出た。「抱っこしますか?」

「いやいや…」

木村久美はパパに会えて嬉しそうで、大きな目を輝かせ、夏川清美と同じようなぽっちゃりした手を結城陽祐に向けて伸ばした。

しかし結城陽祐は冷たく息子を一瞥しただけで、「健二、行くぞ」と言った。

健二と夏川清美は「……」

この機嫌の悪さは何なんだろう?

「いやいや、いや!」何も分からない木村久美だけが相変わらずぐずっていた。

健二は申し訳なさそうに夏川清美を見て、結城陽祐を押して出て行った。

夏川清美は男の去っていく背中を見つめ、しばらくしてから二文字を吐き出した。「気まぐれ」

そう言って木村久美を抱いたまま、お爺さんと夕食を食べに行った。

……

車の中。

結城陽祐はずっと顔を曇らせていて、横にいる健二は不安そうだった。「二少様、一体何があったんですか?」

「林夏美はまだ誠愛病院にいるのか?」結城陽祐は健二の質問には答えず、夏川清美の首の下の火傷のことを考えていた。