第231章 藤原悠真の疑惑

藤原悠真が出廷したことで、この裁判はほとんど結論が見えていた。

故意の傷害罪と不法監禁罪、二つの罪が併合され、鈴木政博は懲役4年の実刑判決を受けた。

裁判官が宣告を終えるや否や、鈴木政博は低い声で叫びながら夏川清美に向かって突進してきた。「お前のような売女のせいだ、全部お前のせいだ……」

健二が前に出ようとしたが、夏川清美は手を振って制し、狂気じみた鈴木政博を冷たい目で見つめた。「私に指一本触れたら、刑務所で一生を過ごすことになるわよ」

夏川清美に向かって振り上げた鈴木政博の手が急に止まり、次の瞬間、法廷職員たちが彼を地面に押さえつけた。

「政博さん、私の政博さん……」鈴木末子は声を詰まらせて泣いていた。

夏川清美は林富岡に冷ややかな一瞥を送っただけで、藤原悠真の方へ歩き出した。太っているのに、何とも言えない威厳が漂っていた。